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ホルプ滞在記〈その14〉

真空パックにする機械を指差せれば簡単なのですが、
それがどこにも見当たりません。
悩んだ末、ダンナがビニール袋を吸い込む真似。
まるでシンナーでも吸っているかのような姿ですが、
それを見た店主が「わかった」!
店主がドアを開けて「あそこへ行けばしてくれる」と指差した先は
ガソリンスタンドではありませんか。
どこのガソリンスタンドがハムを真空パックにしてくれるっちゅうねん!

そのガソリンスタンドでは前日給油しましたが、
英語しかあかんて言うてるのに
独語でめちゃめちゃ喋りかけてくるおばちゃんがいましたから、
ハム屋の店主にはにこやかにお礼を言いつつ、
スタンドには当然寄りませんでした。
いったい何を真空パックとまちがえたんやろか。
ハムを持ってスタンドへ行ったらそれはそれで楽しかったかしらん。

結局紙に包まれたハムを持ったまま
Aちゃんの隣人Eさん夫妻のお宅へ。
お菓子作りの名人Eさんからは、毎年クリスマスになると
わが家の大好物のケーキ、シュトーレンをAちゃん経由でいただいています。
今回はEさんが私たちのためにお茶の時間を設けてくれました。
一瞬で惚れてしまいそうな温かい人柄のご夫妻は
アップルクーヘンに生クリームを添えて
おいしいコーヒーとともにもてなしてくれました。

そうこうしているうちにドイツvsエクアドルの試合開始。
Eさん夫妻はテレビにかじりつきます。
試合観戦にはアルコールが欠かせないのか、
出してくれたのは前述のドイツのスパークリングワイン、
ゼクトをマンゴージュースで割ったもの。旨い。

Eさん宅をハーフタイムに失礼して、
後半はBくんの所属するチームのクラブハウスで観戦することに。
Eさんから「真空パックはバクーム(バキューム)で通じるかも」と聞いたので、
クラブハウスに向かう前にさっきのハム屋へ。
しかし、当然のことながら、ドイツ戦の始まった今、
店は閉まっておりました。

クラブハウスでは熱く熱く観戦中。
みんな陽気に挨拶してくれます。「ヤパ~ン」のかけ声も。
日本人と見ると「ヤパ~ン」ちゅうの、なんとかならん?
見事エクアドルを破った後は三々五々、帰ってゆきます。

「王様」に戻る途中、ドイツの勝利を祝し、
パトカーまでもが国旗をつけて、クラクションの嵐。
箱乗りだらけの車と手を振り合いながら、
明日早朝の出発に向けて今晩はゆっくり荷物を詰めます。
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