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『FASTER ファスター』

『FASTER ファスター』(原題:Faster)
監督:マーク・ニール
出演:ヴァレンティーノ・ロッシ,マックス・ビアッジ,ケニー・ロバーツ,バリー・シーン他

二輪ロードレースの全盛期だった1980年代後半~1990年代初め、
毎年3月になると鈴鹿へ出かけていました。
125cc、250cc、500ccクラスのバイクが
各国の20近くものサーキットを転戦して
チャンピオンを競う世界選手権。
そのうちの鈴鹿でおこなわれる1戦を観るためです。

のちに世界選手権のうち、最高峰の500ccクラスを
MotoGPと呼ぶようになりました。
本作はそのMotoGPの舞台裏に迫ったドキュメンタリー。

まずは現在のスーパースター、ヴァレンティーノ・ロッシ。
125cc、250cc、500ccとステップアップし、
いずれのクラスでも参戦2年目にはチャンピオン。
20代半ばでありながら、MotoGPはすでに5連覇。
向かうところ敵なしの状態で、
ついにはフェラーリからもテスト走行に誘われる人気者。
陽気でやんちゃな彼は、表彰台でのパフォーマンスも有名で、
腰にエプロンを巻いたソムリエもどきの恰好で、
チームスタッフにシャンパンを注いでまわったことも。
(残念ながらその映像は本作には登場しません。)

そんな彼と犬猿の仲と噂される、同じくイタリア人のマックス・ビアッジ。
メディアでは深くは暴かれることのなかった噂ですが、
本作ではロッシの本音も明らかに。
「ビアッジのロッシを肘で押し出し事件」や「殴り合い事件」は凄すぎて笑えます。

80~90年代の二輪ファンなら当時のロッシVSビアッジ版、
ケヴィン・シュワンツとウェイン・レイニーの確執も気になるところ。
後に事故で下半身不随となったレイニーは、
その運命を憎まず、丸ごと受け入れているように見えました。
だからこそ、シュワンツがレイニーから投げかけられたという
「走ることを楽しめなくなったらやめろ」という言葉を重く感じます。

ケニー・ロバーツ、バリー・シーン、ミック・ドゥーハン、
ギャリー・マッコイ、ジョン・ホプキンスなど、
新旧ライダーたちとともに登場するのは彼らを支える家族、
チームスタッフの面々、そして神の域に達しているであろうコスタ医師。
走る気のないライダーをサーキットに還すのは無理、
でも、その気になれば奇跡は起こる。

2003年、鈴鹿で加藤大治郎が事故死してから、
日本でのレース開催地は茂木に変わってしまいましたが、
あの頃の鈴鹿を思い出させてくれます。
またサーキットを訪れたくなりました。

ロッシの親父の顔が最高。
「僕は息子の大ファンさ!」
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