『おまけつき新婚生活』(原題:Duplex)
監督:ダニー・デヴィート
出演:ベン・スティラー,ドリュー・バリモア,アイリーン・エッセル他
原題は“Duplex”で「二世帯住宅」の意。
邦題から想像されるラブコメではありません。
将来を有望視される若手作家のアレックスと
出版社に勤務するナンシーは新婚ホヤホヤ。
新居を求めてニューヨークで物件を探し始める。
憧れのマンハッタンは予算オーバーだが、
ブルックリンで巡りあったのは、環境バッチリ、重厚な趣の理想的な物件。
ただひとつ気がかりなのは、
階上へと続くドアに鍵がかかっていること。
不動産会社のケネスに尋ねると、
ここはもともと二世帯住宅で、階上にはコネリー夫人が住むという。
アレックスとナンシーは一瞬迷うが、
ケネスに紹介されたコネリー夫人はみるからに人が善く、高齢で先は短そう。
この家を買えば、間借り人の夫人から家賃をもらえるし、
彼女が亡くなったあかつきには、その部屋だって自分たちのもの。
いずれ増える予定の家族のためにも、広い家はありがたい。
こうして手に入れたマイホーム。
が、引っ越し当日から信じられない不幸が。
ベッドに就けば、階上から聞こえる大音量のテレビ。
故郷のアイルランドの音楽に合わせて踊りまくるコネリー夫人。
眠れないまま朝を迎え、ナンシーは出勤。
〆切を控えて原稿を書こうとするアレックスのもとへ
コネリー夫人からお呼びがかかる。
それ以来、次から次へと言い渡される雑用。
ゴミ出し、買い物、配管修理、ネズミ退治。
家にいてはまったく書けないと、近所のバーで執筆に励むが、
アレックスがつかまらないとなれば、
今度はナンシーの勤務先へ夫人の電話が。
それが原因でミスしたナンシーは会社をクビに。
正気を保てなくなったアレックスとナンシーは
殺し屋を雇って夫人殺害を企てるのだが……。
フランスで実際にあった話から生まれたそうです。
90歳を過ぎたお婆ちゃんと同居することになった男性。
ところがお婆はなかなか死なず、結局自分が先に死んでしまったそうな。
スーパー爺婆の生命力を勝手に測ることはできないのですねぇ。
何しろ私のツボのベン・スティラー、
イカレっぷりが気の毒なくらい笑えます。
毒気はあるけど、一応ハッピーエンドと言えましょう。
『E.T.』(1982)ではあんなに可愛かったドリュー・バリモア、
最近スティーヴン・フライにそっくりですから、
ぜひ見比べてください。
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