この1週間、1本も映画を観ていないので、新しいネタがありません。
先週訪れた台湾料理店で、色褪せた金城武のポスターを発見。
それだけで台湾料理の話に持っていくのは無理がありますが、
とってもいい店だったので、そのお話を。
観光客でひしめく神戸・南京町の中華街からは外れ、
元町駅北側の路地を入っていったところに、その台湾料理店はあります。
10人ほど入ればいっぱいの小さなお店。
いわゆるランチタイムはなくて、昼夜通し営業。
平日の午後3時頃、お店の扉を開けると、
ラーメンをすするサラリーマン風男性がひとり。
店員らしき人は誰もいなくて、私とダンナはしばし放置されました。
やがて、厨房から現れたのは、エプロンの似合うスッピンのかわいい女性。
私たちに気づいて驚き、たどたどしい日本語で「すみません」。
お薦めを聞こうとしたら、「ちょっと待って」。
奥から店主の息子さんとおぼしき、
台湾人顔(どんなやねん)の料理人が現れ、
「すんません。この子、10日前に台湾から来たとこで、
日本語、喋れませんねん」と、ものごっつい関西弁。
お薦め料理について元気に説明してくれました。
スペアリブと白菜を柚子風味のスープで煮込んだものと焼きビーフンを注文。
厨房へ戻りぎわに、彼は店員の女の子を指さして、
「すんませんね。日本語、全然わからんから、
ジェスチャーで言うたってください。
オカンがおったらええんですけど、
オカン、買い物に出たまま、戻ってきませんねん」。
オ、オカンって。(^^;
彼が厨房へ戻ったあと、先客の男性が「腸詰め、旨いですよ」と教えてくれたので、
注文しましたがな、ジェスチャーで。
どれも美味しくて、結構なボリューム、しかも安い。
腸詰めなんて、10切れぐらいで400円。
店内のテレビではなんたらサスペンス劇場の再放送。
そのテレビと金城武のポスターの間に挟まれて、
日本語ができなくて申し訳ないという表情でたたずむ女の子。
帰りには再び息子さんが出てきて
「オカンがおらんですんません。
おったらめちゃめちゃ喋るんですけど」。
店員が喋って客を楽しませることもサービスだと思ってくれているようです。
でも、オカンがいなくても十分おもろいやん。
店内に客がいるにも関わらず、
酒を置いてくれと売り込みに来たどっかの営業。
息子さん、困ってました。
オカンだったら一喝したかも。
今度はオカンに会いにいくぞ。
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