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『おさるのベン』

『おさるのベン』(原題:Primate)
監督:ヨハネス・ロバーツ
出演:ジョニー・セコイヤ,ジェシカ・アレクサンダー,トロイ・コッツァー,ヴィクトリア・ワイアント,ジア・ハンター,ベンジャミン・チェン,チャーリー・マン,ティエンヌ・サイモン,ミゲル・トレス・ウンバ他

109シネマズ大阪エキスポシティにて、これ1本だけ。オンライン予約したときには客は私ともうひとりだけでしたが、劇場に入ってみたら、若い女性が連れ立って観に来られていました。『プー あくまのくまさん』(2023)や『マッド・ハイジ』(2022)に若い客がよく流行っていたのと同じ現象ですね。

女子大生のルーシーは、親友のケイトを連れて久しぶりに実家に帰ることに。ケイトの兄ニックと、ルーシーが初めて会うケイトの友人ハンナも一緒に。ルーシーの実家はハワイ断崖絶壁の上に建つ海を望む豪邸で、両親はチンパンジーと意思疎通を図れるようになったことで有名な研究者。母親が亡くなり、ルーシーが実家を離れてからは、父親のアダムとルーシーの妹エリンのふたり暮らし。疎遠になっていたルーシーの帰郷にエリンは最初こそ素っ気ない素振りを見せるが、それはスネていただけ。すぐにもとの仲良し姉妹に戻り、家族同然のペットであるチンパンジーのベンもルーシーと会えて嬉しそう。

出張前のアダムがベンの様子を見ると、負傷した痕がある。マングースの死体がそばにあり、ベンがマングースと喧嘩したことがわかる。念のため、マングースが病気持ちではなかったかを調べるために死体を検査機関に出すことにして、アダムはルーシーたちにベンの容体がわかるまでは檻に入れておくようにと注意のうえ出かける。ところが、診察にやってきた獣医がベンに襲いかかられて死亡し、ベンは檻から飛び出す。そうとは知らないルーシーたちが邸でくつろいでいると……。

人なつっこくて賢くて可愛かったベンなのに、狂犬病にかかって猛獣と化します。目つきが変わって怖いこと怖いこと。もう笑うしかありません(笑)。“海底47m”シリーズのヨハネス・ロバーツ監督は水がお好きなようで、ベンに追われたルーシーたちが逃げる場所はプールの中。ベンは泳げないから。しかし、スマホを拾うためにはプールから出なければなりません。ひとりひとりとベンに飛びかかられて死んでゆき、残るのは姉妹だけ。異変に気づいて出張先から帰宅したアダムが聴覚障害者というのも恐怖心を煽るのに有効。アダムを演じるのは『コーダ あいのうた』(2021)のトロイ・コッツァーだからホンマもん。

おさる、ベン、怖い。(^O^)

『センチメンタル・バリュー』

『センチメンタル・バリュー』(原題:Affeksjonsverdi)
監督:ヨアキム・トリアー
出演:レナーテ・レインスヴェ,ステラン・スカルスガルド,インガ・イブスドッテル・リッレオース,エル・ファニング,イェスパー・クリステンセン,アンデルシュ・ダニエルセン・リー,レナ・エンドレ,コーリー・マイケル・スミス,キャサリン・コーエン,ラース・ヴァーリンニェル他

北新地でランチのあと、梅田まで出ないと観られない本作を観るために大阪ステーションシティシネマへ。『わたしは最悪。』(2021)のヨアキム・トリアー監督によるノルウェー/ドイツ/デンマーク/フランス/スウェーデン/イギリス作品です。第78回カンヌ国際映画祭のグランプリ受賞作らしいのですが、カンヌっていろんな賞がありすぎて意味わからん。グランプリとパルムドールは違うのですよね? なんでもええけど。

ノルウェーのオスロ舞台女優として活躍するノーラ。父親グスタフは著名な映画監督で、ノーラの妹アグネスは少女時代に子役としてグスタフの監督作に出演した経験があるが、女優となる道は選ばず、歴史学を専攻しながら夫イーヴンと息子エリックに囲まれて穏やかな家庭を築いている。

常に仕事優先だったグスタフは、ノーラとアグネスが幼い頃に家を出て行き、姉妹は今は亡き母親に女手ひとつで育てられた。ノーラは自分たちを捨てた父親のことをどうしても許せずにいる。そんなある日、グスタフが現れ、15年ぶりに撮ることにした映画の主演にノーラを起用したいから脚本を読めと言う。差し出された脚本を開くことなく断るノーラ。

映画の話は進まないものと思われたが、グスタフを敬愛するハリウッドの人気女優レイチェルがノーラに代わって演じることに。資金調達の目処が立つと、グスタフは撮影場所としてかつて一家が暮らしていた家を使うことに決める。家族の思い出が詰まった家にレイチェルを招き入れる父親に不快感を募らせるノーラだったが……。

ノーラ役は『わたしは最悪。』に続いてトリアー監督作品でヒロインを演じるレナーテ・レインスヴェ。インガ・イブスドッテル・リッレオース演じるアグネスは父親との確執に病んでしまいそうな姉ノーラに寄り添い、この姉妹の様子に涙が出てしまう。張り倒したくなる傲岸ぶりを見せるグスタフ役のステラン・スカルスガルドにアグネスがキレるシーンも凄くよかった。また、実力よりも容貌で人気があるだけかと思われたレイチェル役のエル・ファニングが真摯に演技に臨む姿には、もとはダコタ・ファニングの妹としてデビューした彼女が着実に力をつけている姿とかぶります。

最後は温かさがいっぱいに満ちた作品です。

『東方神起 20th Anniversary Film『IDENTITY』』

『東方神起 20th Anniversary Film『IDENTITY』』
監督:田上健太

塚口サンサン劇場で前述の『旅の終わりのたからもの』を観た後、晩の高槻での飲み会までの間に観られそうな作品を物色したところ、大阪ステーションシティシネマで上映される本作しか時間的に合いそうにありませんでした。ジョングクのおかげでK-POPを聴くようになり、今やBTSの箱推しで、ARMYを小声で名乗ってもいいかなぐらいにはなっています。だけど知らないんですよ、東方神起、全然。

どれぐらい知らないかと言うと、まず何人のグループかを知らない。何人なんかな〜と思いながら上映に臨んだら、「えっ!?2人なん!?」とたまげました。なんとなく5人ぐらいいそうに思っていましたから。2人だと知って驚いている自分に笑いながら、「ここまで知らんのに、3,900円払って観に来ている客、私以外におるやろか」と思ってまた笑う。ついでに、1曲も知りませんから、私。

そんなド素人の私にも東方神起の軌跡がわかるように作られている作品です。最初から2人のわけはないから、何かあって2人で活動を続けることになったのだろうなと思い、それについては帰宅後に調べました。そうか、やっぱり最初は5人だったのね。

2011年以降、ユンホとチャンミンの2人で活動する東方神起。毎年のライブツアーにスタッフたちと臨む姿、ライブそのものの模様、2人へのインタビューが盛り込まれています。寝る気満々で行ったのに、時には泣きそうになったりもして、大満足の134分となりました。だからって今後は東方神起も聴きますということにはならないけれど、ちょっと聴いてみようかなという程度にはなったかな。

いちばん気になったのは脇毛なんですけど(笑)。今時のアイドルはみんな脇の下を脱毛していますよね。この2人はそのままなんやと脇の下に目が釘付け。兵役終わって復帰後は脱毛していたりしてとガン見しましたが、やっぱりそのまんまやった。でも2025年の東京ドームライブのときは処理していませんか。2025年の映像では脇の下があまり映らないから確認できなくて。気になるから誰か教えて。

『旅の終わりのたからもの』

『旅の終わりのたからもの』(原題:Treasure)
監督:ユリア・フォン・ハインツ
出演:レナ・ダナム,スティーヴン・フライ,ズビグニエフ・ザマホフスキ,イヴォナ・ビエルスカ,マリア・マモナ,ヴェナンティ・ノスル,トマシュ・ヴウォソク,サンドラ・ドルジマルスカ他

塚口サンサン劇場にて、1991年のポーランドを舞台にしたドイツ/フランス作品を鑑賞。ドイツ出身の女流監督ユリア・フォン・ハインツがリリー・ブレットの小説を映画化。ブレットはホロコーストを生き延びた両親のもとオーストラリアで生まれた作家で、それを題材とした小説を多く書いているそうです。

1991年。ジャーナリストの女性ルーシーは父親のエデクと共にニューヨークで暮らしている。自分のルーツを知ろうと、エデクの故郷ポーランドへ父娘の旅を計画するが、奔放なエデクは片時もじっとしておらず、そもそもニューヨークで飛行機に乗り遅れる始末。ひとり先にワルシャワに着いてやきもきするルーシーをよそに、平然と後の飛行機でやってきたエデク。

エデクが暮らしていたウッチに列車で向かおうと切符を買っていたのに、ルーシーがトイレに行っている間にまたしてもエデクは勝手に空港の外へ。そこでステファンというタクシーの運転手を捕まえてこの旅行中世話になる話をまとめてしまう。すっかりペースを乱されて呆れるルーシーだったが……。

ルーシーの両親は夫婦でアウシュヴィッツから生還した稀有の存在であったものの、当時について娘のルーシーに語ることはほぼありませんでした。家の中に流れるなんとなくぎごちない空気を幼い頃から感じ取っていたルーシー。母親が亡くなり、どうしても父親の生まれ故郷を見たいとやっとの思いでエデクを連れ出したのに、エデクはすべてを避けているふしがある。

エデクにとっては母国語であるポーランド語をルーシーは理解できないから、エデクが現地の人たちと何を話しているのかわかりません。ホロコースト経験者が当時を思い出したくないのも当たり前といえば当たり前で、エデクに同情的なステファンは、ついついエデクに話を合わせます。いったい父親は何を考えているのかとルーシーはイライラしているというのに、気さくな人柄のエデクが行く先々で誰とでも親しくなるのもルーシーにとっては腹立ちの種。

ルーシー役のレナ・ダナムは女優として活躍しつつ、監督や脚本家、プロデューサーとしても影響力を持つ人。エデク役のスティーヴン・フライはイギリスが誇る名優。このふたりは本当の親子なんじゃないかと思うほどの素晴らしい共演。常にふざけているように見える父親の過酷な体験に触れることが良いことなのかどうかとふと考えてしまう。けれど、どれほど過酷であっても、それは後世に伝えていかなければならないものでしょう。

ベジタリアンで鳥の餌みたいなシリアルばっかり食べてなぜにあんな体型にとつっこみたくなったのはきっと皆さん同じですね。(^^;

『五十年目の俺たちの旅』

『五十年目の俺たちの旅』
監督:中村雅俊
出演:中村雅俊,秋野太作,田中健,岡田奈々,前田亜季,水谷果穂,左時枝,福士誠治他

4年半ぶりのシネ・ピピアにてハシゴの〆。前述の『Black Box Diaries』の上映終了時間と本作の上映開始時間が少々かぶっていたため、たぶん最初の5分くらいは観そびれています。昔はこんなこと絶対しなかったんですけれど。

1975年から1976年にかけて日本テレビ系列で放送されていた全46話の青春ドラマ『俺たちの旅』。その50周年を記念してオリジナルキャストそのまんまに、脚本も同じく鎌田敏夫。監督を務めるのは主演の中村雅俊で、今年75歳を迎えた彼のこれが監督デビュー作。私は主題歌を知っているだけで、ドラマは観たことがありません。

あれから50年が経ち、70代になったカースケこと津村浩介(中村雅俊)、グズ六こと熊沢伸六(秋野太作)、オメダこと中谷隆夫(田中健)の3人。カースケは町工場の経営者、グズ六は介護施設の理事長、オメダは米子市長として、それぞれに平穏な日々を送っている。

ところがある日、グズ六がカースケのもとへやってきて、20年前に病死したはずの山下洋子(金沢碧)が生きているようだと言う。ある温泉宿の仲居が洋子を名乗っておかしなふるまいをしているらしいと聞き、カースケが出向いてみると、そこにいたのはかつてカースケが洋子に投げた言葉を錯乱状態で繰り返す中谷真弓(岡田奈々)だった。

真弓の兄であるオメダが言うには、余命わずかとなった洋子に会った真弓は、カースケの話をいろいろと聞いたらしい。しかし洋子が最期に何と言ったのか、真弓はオメダにも決して教えてくれないらしい。そのオメダは、亡き母(八千草薫)や真弓と共に暮らした実家のことが忘れられず、売り家となっている実家を買い戻したいと切望している。妻(左時枝)と娘(前田亜季)は当然大反対。カースケも最初は止めるつもりだったものの、オメダの願いを叶えたいと思いはじめて……。

評判も良さそうだったので期待していましたが、ちょっとがっかり。50年前のTVドラマ版を観ていた人は懐かしくて仕方ないでしょうが、男性受けしそうな話だなぁと思いました。TVドラマ版の映像が回顧シーンとして映し出されるのを観ると、私は初見で話の流れを理解しているわけではないからか、カースケがずいぶんと酷い男に思えます。洋子を殴るシーンなどあり得ない(笑)。彼女が自分のことを好きだとわかっていて、自分だって彼女に想いを抱いているくせに、まだ身を固めたくはないんだと言い、そのくせ酔っぱらって彼女を押し倒そうとする。アカン、最低。

オメダの娘に会いに行くシーンでは、男が言いそうなことばかりだし。ロマンを語るカースケとグズ六の姿に男性はグッと来るでしょうが、女にしてみれば、何を勝手なこと言うとるねんと思います。オメダの娘を説得したいのであれば、まずは彼女の言い分を聴いて頷いてやらにゃあ。聞き上手とちゃうねんなぁ。「それはそれ、これはこれ」の男と女は違うんです。

そんなわけで、ため息を吐きながら就く帰り道。若かりし頃の超カワイイ岡田奈々と、いくつになろうが可憐だった八千草薫だけは見られてよかった。