『クライム101』(原題:Crime 101)
監督:バート・レイトン
出演:クリス・ヘムズワース,マーク・ラファロ,バリー・キオガン,モニカ・バルバロ,コーリー・ホーキンズ,ジェニファー・ジェイソン・リー,ニック・ノルティ,ハル・ベリー他
109シネマズ箕面で前述の『ブゴニア』に失望した後、本作を鑑賞しました。ちなみに映画2本分の駐車サービスは受けさせてくれないと思っていた109シネマズ箕面ですが、「2本観るんですけど」と言わずに1本分ずつ駐車券をもらったら、一旦出庫しなくてもそれでちゃんと精算できました。わーい。
一時期ハマっていたことがあるドン・ウィンズロウの中編集『壊れた世界の者たちよ』に収録されている『犯罪心得一の一』が原作。スティーヴ・マックィーンに捧げられた中編小説なのだそうです。『アメリカン・アニマルズ』(2018)のバート・レイトン監督がクリス・ヘムズワースを主演に起用して。“ソー”のヘムズワースを捕まえようと追う刑事役が“ハルク”のマーク・ラファロというのも楽しい。
アメリカ西海岸線を走るハイウェイ101号線沿いで頻発している宝石強盗事件。犯人のマイクは、危うくなれば直ちに逃げられるように住居を転々としている。ロサンゼルス市警が同一犯とは見なしていないなか、ただひとり刑事のルーだけは同一犯だと断言。なぜなら証拠をいっさい残さず、銃は所持しているものの現場に居合わせた人を誰も傷つけない点が共通しているから。
ある日の仕事に取りかかったさいに、雇い主のマネーから聞いていた情報とは現場が異なっていたことに不安をおぼえ、マイクはマネーと縁を切ると決める。そう告げられて怒ったマネーは、マイクに依頼するつもりだったサンタバーバラでの強盗をならず者のオーモンに命じる。オーモンはマネーの指示どおりに強盗を働いてみせたが、現場で発砲するわ店員や客に暴行を加えるわ、やりたい放題。やはり同一犯ではないと確信するルー。
一方、保険会社に勤務するシャロンは、長年会社に貢献してきた自分が軽く扱われていることに不満を抱えている。そこに目をつけたマイクはシャロンに共謀を持ちかけ、保険会社の大口顧客モンローが滞在するホテルのスイートルームにダイヤモンドや大金が運び込まれる日時を教えてほしいと頼み……。
安定の王道サスペンス。どこが特に面白いというわけではないけれど、良い感じに古くさい。行ったこともないのに、町並みを見ているだけで懐かしい。昔の映画っぽいというのか。カーチェイスも堪能できるし、なんといっても『ブゴニア』と違ってクリス・ヘムズワースがイケメン。ろくでなしのオーモンを演じるバリー・キオガンも腹が立つほど上手い。シャロン役はお久しぶりのハル・ベリー。53歳という年齢を生かしています。また、マイクが出会う女性マヤを演じるのは『トップガン マーヴェリック』(2022)のフェニックス役、モニカ・バルバロ。イメージがまるで違ってビックリ。ルーの妻として一瞬だけ登場するジェニファー・ジェイソン・リーがシワシワになっていたのにも驚き。もうとっくに還暦過ぎですもんね。そのシワもマネー役のニック・ノルティに比べりゃなんちゅうことない。
とっても普通です。そこがイイ。
『ブゴニア』
『ブゴニア』(原題:Bugonia)
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:エマ・ストーン,ジェシー・プレモンス,エイダン・デルビス,スタヴロス・ハルキアス,アリシア・シルヴァーストーン他
109シネマズ箕面にて。
観ていて楽しくはないけど面白いヨルゴス・ランティモス監督。『女王陛下のお気に入り』(2018)、『哀れなるものたち』(2023)、『憐れみの3章』(2024)に続いてエマ・ストーンを起用。韓国のカルトムービー『地球を守れ!』(2003)のリメイクだそうですが、知らんなぁ。配信では観られないようで、TSUTAYA DISCASの出番かも。オリジナルはそのうちDVDレンタルして観ることにして、まずはこのリメイク版を。
大手製薬会社のCEOミシェルは、全米で注目されるカリスマ経営者。ある日の帰り、自宅に到着して車から降りると、物陰に潜んでいた男性テディとその従弟ドンに拉致される。テディとドンは、ミシェルの正体が地球侵略を目論む宇宙人だと確信している。また、宇宙人の通信手段が頭髪だとも考えているから、それを妨害するミシェルの頭髪を剃ってしまう。ミシェルが目覚めると自分の頭はツルツルになって地下室に監禁されているではないか。とんだ勘違いだとミシェルが力説するもふたりは耳を傾けず、「助かりたければ地球から撤退せよ」と要求し……。
これ、面白いですか。私は駄目でした。監督と役者が異なればB級に振り分けられるのではとすら思う。一流役者を使ってこんな話を撮れば一気にA級入りするんですかね。私が駄目だったのは(こんな理由はあかんと思うけど)、テディ&ドン役のジェシー・プレモンスとエイダン・デルビスがイケメンじゃないことがおそらく最大の理由で(笑)、どちらかと言えば不細工な男ふたりが薄汚い格好をしてエマ・ストーン演じるミシェルとずっと一緒にいるのを観てもテンションが上がらないんです。その挙げ句、ネタバレになりますが、ミシェルは本当に宇宙人でしたというオチ。はい、そうですかとしか言えなくて。
ランティモス監督が撮るエマ・ストーン主演作品にも飽きてきました。違う俳優を起用した違うタイプの話を今度は観たいです。
『劇場版 僕の心のヤバイやつ』
『劇場版 僕の心のヤバイやつ』
総監督:赤城博昭
監督:陳達理
声の出演:堀江瞬,羊宮妃那,田村ゆかり,朝井彩加,潘めぐみ,種崎敦美,寺澤百花,島﨑信長他
原作は桜井のりおの同名漫画で、2018年に『週刊少年チャンピオン』で連載開始。同年中に『週刊少年チャンピオン』を発行する秋田書店が立ち上げたウェブコミック配信サイト『チャンピオンクロス』に移籍。さらにその後、秋田書店が『チャンピオンクロス』と『Champion タップ!』を統合して『マンガクロス』を開設したことに伴い、本作も『マンガクロス』に移籍したそうです。2023年にはTVアニメ化もされて大ヒット。そんな人気作品らしいけれど、私は予告編を目にするまでは観たことも聞いたこともなかったため、同日封切り作品の中で優先順位はいちばん下でした。しかしこれも前述の『新劇場版 銀魂 吉原大炎上』と同じく来場者特典目当てで公開初日に鑑賞。109シネマズ大阪エキスポシティにて。
何の前知識もなく観ましたが、わかりにくいところはありません。単体の映画としてちゃんと成立しています。
小学校の友人たちと共に私立中学校を受験したのに、ひとり失敗してすっかり陰キャになった市川京太郎。同級生と壁を作り、誰とも話さない日々が続いていたが、学校一の美女で雑誌モデルもしている山田杏奈と言葉を交わすように。昼休みに京太郎が図書室に籠ると、杏奈もやって来る。人気者の杏奈が自分のことなど相手にするわけがないと思いつつ、杏奈のほうも明らかに京太郎に好意のある素振りを見せる。やがて京太郎は自分が杏奈に恋をしていることを否定できなくなり……。
絵も声も好きとは言えません。京太郎が陰キャすぎて不気味に思えてしまうし、高身長でスタイル抜群の美人女子がちんちくりん男子を好きになるものだろうかと考えずにはいられず。だからこそ人気があるのでしょうか。中学生で巨乳で萌え声なのは男性陣の妄想を掻き立てるのかもしれません。(^^;
学校一のモテ男子が冴えない女子と恋仲になる話は多いけれど、冴えない女子役を演じるのは絶対可愛い女優ですもんね。本作も実写版ならばなんだかんだでイケメン俳優が演じそうに思いますが、絵だと不気味なまんまだから、私はイマイチ乗れず。それより山田杏奈という名前のせいで女優の山田杏奈の顔が頭の中を過ぎり。
といろいろ書きましたが、最後まで寝ることもなく観たのですから、これはこれでOK。人気があるのもわかります。
『新劇場版 銀魂 吉原大炎上』
『新劇場版 銀魂 吉原大炎上』
監督:安藤尚也
声の出演:杉田智和,阪口大助,釘宮理恵,甲斐田裕子,三瓶由布子,井上喜久子,銀河万丈,日野聡,大塚芳忠,石田彰,千葉進歩,中井和哉,鈴村健一,太田哲治他
大人気らしい“銀魂”も劇場版しか観たことがないのは以前書いたとおり。「新劇場版」って何なのよ、『銀魂 THE FINAL』(2021)って言ってたよねぇと思いながら、来場者特典目当てで公開初日に109シネマズ大阪エキスポシティへ観に行きました。「TVアニメ化もされた名エピソード“吉原炎上篇”を完全新規作画で映画化」と言われてもまったくわからないのですが、そんな私が観ても面白いと思えるのが銀魂の良いところ。冒頭、“鬼滅の刃”のパロディから始まって大ウケ。ファイナルと言っておきながら新作公開に至った言い訳もあります。
地下に広がる遊郭都市・吉原桃源郷。ある日、掏摸を働いた孤児・晴太を捕らえた銀時。新八や神楽もまじえて晴太から事情を聴くと、晴太は吉原一の花魁・日輪(ひのわ)のことを生き別れた母親だと信じており、日輪に会うための金を貯めようとしているらしい。晴太の願いを叶えてやろうと一肌脱ぐことにした銀時たち。しかし吉原桃源郷を牛耳る夜王・鳳仙は決してそれを許そうとせず……。
銀魂ファンでも何でもない私が言うのもなんですが、ホント面白くて暇つぶしに最適な作品です。銀魂を一度も観たことがなくても楽しめる。本作なんてむしろ冒頭のパロディを理解するために“鬼滅の刃”を観ておくほうがいいんじゃないかと思うぐらいです。
銀時、新八、神楽たちメインキャラが面白いのはもちろんのこと、新撰組の面々や桂小五郎(じゃなくて本作では小太郎か)も可笑しいですよねぇ。新撰組のパロディとしても抜群。気がつけば銀魂のファンになっているのですが、劇場版以外も追う時間は到底つくれません。今後も劇場版のみ観る適当なファンでいます。
『FRÉWAKA/フレワカ』
『FRÉWAKA/フレワカ』(原題:FREWAKA)
監督:アシュリン・クラーク
出演:クレア・モネリー,ブリッド・ニ・ニャフテン,アレクサンドラ・ビストルツィトスカヤ,オルガ・ワーリー,ミーホール・オーグ・レーン,ドロシー・ダフィ他
梅田スカイビルで駐車料金1,800円を払うのだから、前述の『メラニア』1本だけで帰るのはもったいない。もう1本、とっても怖そうなアイルランドのホラー作品を観て帰ることにしました。監督はこれが長編2作目となる新鋭アシュリン・クラーク(♀)。モチーフとなっているのはアイルランドの民間伝承で、ケルト神話に宿る「土着の祈り」と「呪い」なのだそうです。と言われてもピンと来ませんけど。
イカれた母親から虐待を受けて育った女性シュー。大人になってからは疎遠になっていたが、ある日、母親が首を吊って自殺したとの報せを受ける。レズビアンのシューは婚約者のミラと共に、母親が暮らしていた部屋へ。あまりに多い物にうんざりしているところへ仕事の斡旋所から連絡が入り、介護ヘルパーとして働く先が見つかる。
母親の部屋の片付けはミラに一任してシューが向かったのは、人里離れた村にひとりで暮らす老婆ペグの家。ペグはなかなかシューを家の中に入れようとしない。家の周囲には馬蹄をはじめとする鉄製品が置かれ、訪問者には塩を振りかけようとするペグ。介護センター職員の話では、ペグには認知症の兆候が見られ、妄想癖もあるとのこと。最初はペグに手を焼くシューだったが、次第にペグではなく村全体がおかしいのだと気づいて……。
冒頭は1973年、若かりし頃のペグの結婚式シーン。結婚を機にこの村へ来たペグには知り合いなんていないのに、勝手に人が集まって来る。ポップな音楽で皆が楽しそうに踊っているところは決して暗くないけれど、新郎であるダヒのもとを離れて外へと出たペグは妊娠しているらしく、つわりのせいで気分が悪い。吐いた後で顔を上げると、そこには1頭のヤギがいます。ここで場面が切り替わって現在へ。年代から考えて、ペグとシューになんらかの関係があることが推察できます。ペグの本当の娘がシュー? いやいや、シューはもっと若いでしょ、ならばシューの母親がペグの娘かな、などと考えていたら、それが当たっていたわけですが。(^^;
明るかったのは冒頭の数分、いや、数十秒間だけで、以降は『ヴィレッジ 声帯切村(コエキリムラ)』と似た雰囲気。ひたすら暗く、不気味です。女性が子孫を残す道具のように扱われる一方で崇められているようにも感じるけれど、こんな因習の残る村には住みたくない。同性婚のシューとミラが男友だちの協力を得て子どもを持つことにしたせいで、ミラは妊娠中。エンドロール途中で「シューを連れて行かないで、何でもするから」と叫ぶミラ。それを言ったが最後、子どもは手放さなくてはならないのでしょう。
目から血ぃ出さないでよ。怖いってば。





