『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』
監督:萩原健太郎
出演:水上恒司,木戸大聖,八木莉可子,綱啓永,JUNON,中沢元紀,曽田陵介,萩原護,高橋里恩,山下幸輝,濱尾ノリタカ,上杉柊平他
休みを取っていた平日、眼鏡屋さん→営業所に預けていた宅配荷物を引き取り→老健で父に面会→なんばパークスの駐車場に入庫して近隣の銀行と郵便局へ→なんばパークスでお昼ごはん。のんびり食事するつもりが、ふと時計を見たら本作の午後いちばんの回に間に合いそう。食後のお茶を一気飲みして上階へと向かいました。ちょうど予告編が終わったところでセーフ。
原作はにいさとるの同名不良漫画。講談社のウェブコミック配信サイト『マガジンポケット』にて2021年に連載が開始され、現在も継続中だそうです。映画化したのは『ブルーピリオド』(2024)や『傲慢と善良』(2024)の萩原健太郎監督。主演の水上恒司は約3年前までの芸名・岡田健史のときのイメージがすっかり消え去りましたね。前々から売れっ子ではありましたが、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(2023)のヒットが大きいように思います。
喧嘩だけが取り柄の高校生・桜遥(水上恒司)は、不良の巣窟と言われている風鈴高校の「てっぺん」を取るためにわざわざ町の外からやってきて入学する。ところが風鈴高校の生徒たちは見た目こそ不良ながら、“防風鈴=ウィンドブレイカー”と呼ばれて町を守る存在だと知る。
商店街の人々にとって防風鈴は頼れる存在。たまたま遙がこの町にやってきた日によその不良から嫌がらせを受けていた橘ことは(八木莉可子)を図らずも助けることになった遙は、一瞬で人々の信頼を得てしまう。仲間なんて要らないし、ひとりでてっぺんを取るつもりだった桜には防風鈴がヒーロー気取りの集団に思えて仕方がない。現在のてっぺんだという梅宮一(上杉柊平)に会ってもどうも強そうな気がしない。
そんな防風鈴を敵視しているのが“獅子頭連”の連中たち。両者の間には境界線が設けられており、そこは踏み越えないのが暗黙のルール。しかしある日、商店街の店で鯛焼きを盗んで逃走した獅子頭連を追いかけた楡井秋彦(木戸大聖)が敵地に足を踏み入れたせいで、獅子頭連の頭取・兎耳山丁子(山下幸輝)はチャンスとばかりに防風鈴を潰しにかかり……。
何なんでしょうね、不良漫画の魅力って。どうでもいいと思いつつ観に行って、最後は泣かされてしまうことが多いです。なんで私こんなん観て泣いてるねんと思うことしょっちゅう(笑)。本作では梅宮がカッコイイ。誰よりも強いのに、自分からは決して手を出さないし、殴られてもびくともしない。頭取になれば自由で楽しいと考えていた兎耳山は梅宮のことが羨ましくてたまらず、防風鈴を自分のものにすれば梅宮のように毎日を楽しく過ごせるという妄想を抱いています。兎耳山のパンチを受ける梅宮は「おまえの拳は軽いんだよ」。軽いから痛くないんですと。渋いなぁ。拳のぶつかり合いが泣けてくる。あ、あと防風鈴メンバーの蘇枋隼飛を演じる綱啓永が最近の私のお気に入り。二枚目なのか三枚目なのかようわからん。三枚目の役のときのほうが好きだけど、どんな役のときもなんだか面白い若手俳優。
最後はみんな仲良しの大団円。安心の不良漫画です。
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