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『THE MONKEY/ザ・モンキー』

『THE MONKEY/ザ・モンキー』(原題:The Monkey)
監督:オズ・パーキンス
出演:テオ・ジェームズ,タチアナ・マズラニー,クリスチャン・コンヴェリー,コリン・オブライエン,ローハン・キャンベル,サラ・レヴィ,アダム・スコット,イライジャ・ウッド他

上映終了間近だった日、イオンシネマ茨木へ滑り込み。客は私と若い女性2人組のみだったけど、こんなにガラ空きなのになんで私の隣ひとつだけ空けて2人が座るのよ。私がど真ん中に陣取っているわけでもないのに、もう少し離れて席を取ってくれてもよくないですか。予告編が始まってから入場した瞬間にこの状況を見て「げっ」と思い、どっちみち客はほかにいないんだからと離れたところへ座っちゃいました。

原作はスティーヴン・キングの短編小説『猿とシンバル』で、短編集『神々のワードプロセッサ』に収録されています。この短編集は読んだはずだけど、たぶん25年くらい前のことなので全然おぼえていません。血が飛び交う描写ゆえのR15+指定

ある男が骨董品店でオモチャの猿人形を返品しようとするが、店主に断られる。どうしても返品したいという男はこの猿人形を心底恐れている様子。店主が訝しむうちに猿人形のバチを持つ腕が振り上げられ、太鼓を叩きはじめる。鳴り止んだそのとき、ありえないことが店内で起きて店主は死亡。男はその後どうなったかわからない。

失踪した男の妻ロイスはシングルマザーとなり、双子の兄弟ビルとハルを育てる。顔は似ていても性格はまるで別のふたり。陽気なビルと陰気なハル。ある日、ロイスから父親の私物が遺されていることを聞いて兄弟で物色中、猿人形を発見。「ネジを回せ。あとはお楽しみ」と書かれている。背中のゼンマイを回すと猿が太鼓を叩きだし、それが止んだ頃、ふたりのベビーシッターの首が見事に切れて死亡。

もしかするとこの猿に願えば人を殺せるのではないか。意地悪なビルのせいで学校でもいじめられているハルは、ビルの死を願って猿のゼンマイを回す。ところが太鼓が鳴り止んだとき、ビルではなくてロイスが死んでしまう。自分の死が願われていたことは知らないが、この猿は不吉だと感じたビルは、ハルと共に猿を処分する。両親を失って、伯父チップと伯母アイダに引き取られるふたり。しかし猿が再び現れ、チップも変死する。

25年後。ハルは一児の父親となっていたが、こんな過去を持つがゆえに、自分の存在が身近な人を傷つけるのではないかと気が気ではない。心を開けないまま離婚し、年に一度だけ息子ピーティーと過ごす。元妻が再婚相手と相談してピーティーを正式に養子にすると聞き、ハルは傷心。これがピーティーと過ごす最後の日になるかもしれないと遊園地を目指す途中、疎遠になっていたビルから電話が入る。アイダが不審死を遂げたから遺品整理に行けとビルは言うのだが……。

猿人形の由来とか目的とかがさっぱりわからなくて、その辺りはもうちょっと納得できる理由を与えてほしいと思ったりもします。だけど、こういうホラーにそんなもっともらしい理由は要らないのかもしれません。単に、謎の猿人形がいて、こいつが演奏を始めたら恐ろしいことが起きる。誰が死ぬかもわからなくて、とりあえずゼンマイを回した人は死ななくて済む。回して回してみんな死んじまえって、それでいいんでしょうね。

テオ・ジェームズが一人二役。彼を見るのは『ダイバージェントNEO』(2015)以来ですが、『デスパレート・ラン』(2021)では製作総指揮を務めたようで、ほかはTVドラマに主に出演している様子。まるで性格の異なる兄弟を上手く演じ分けていたと思います。驚くのは少年時代の兄弟を演じた子役のクリスチャン・コンヴェリー。これはてっきり別の子役が演じているのだと思っていました。上手いですねぇ。クソガキのビルを演じるところなんか。あと、怖かったのはハルの元妻の再婚相手役イライジャ・ウッド“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズの主人公フロドを彼が演じていたなんて、今となっては信じられず。変人ぶりが板につきすぎていて不気味なことこのうえなし。

スティーヴン・キング原作の作品を観ると、メイン州ってめちゃくちゃ陰鬱な土地。実際はどうですか。

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