興味の有無に関わらず、観る機会のある作品は取捨選択せずに観ることを心がけています。だって、観なきゃ文句も言えないし、観てみたら「どハマり」する場合だってありますから。
で、Mrs. GREEN APPLE。こんなに売れているバンドなのに今まで知らなかったなんてと驚かれそうですが、本当に知らなくて。ただ、高校生大学生ぐらいの子どものいる友人や親戚がこぞってファン。子どもが聴いているのを一緒に聴いていたらすっごいハマったとか。そのうちのひとりから「観に行くときは便乗したいので教えてほしい」と言われました。はいはい、行きますとも。友人が観るのはとりあえずライブ映像だけだろうと思いつつ、ちょうどハシゴできる時間帯にドキュメンタリー映像の上映もあるから私は続けて観るよと話したら「私も!」と友人が言う。はぁ? だって2本続けて観たら283分、予告編まで入れると5時間近いですからね。私にとっては珍しくないことだけど、普通はこんなハシゴしないでしょ(笑)。そんなわけで、まさかの友人とそんなハシゴ。
先に観たのはライブ映像の『MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE 〜FJORD〜 ON SCREEN』(監督:稲垣哲朗)。今年7月26日と27日の2日間に渡って山下埠頭の特設会場で開催されたミセス史上最大規模のライブなのだそうです。会場に集まったファンは5万人。配信と中継を含めると35万人以上が参加したのだとか。全23曲のステージパフォーマンスをすべて観ることができます。
その20分後から上映されたのがドキュメンタリー映像の『MGA MAGICAL 10 YEARS DOCUMENTARY FILM 〜THE ORIGIN〜』(監督:豊島圭介)。普通にライブ前の準備やインタビュー映像による構成かと思いきや、このライブのために書き下ろす新曲“Variety”ができるまでを追うという面白企画。ミセスの全曲を制作する大森元貴の曲作りを初公開。ギターの若井くん、キーボードの涼ちゃんすら大森くんのゼロからの曲作りを見るのは初めてだそうです。
ちなみに私がどれくらいミセスのことを知らなかったかと言うと、今年4月に公開された『#真相をお話しします』で大森くんがミセスの人だと初めて知ったぐらい。「この人は誰?」な状態で観たのでした。今回ライブとドキュメンタリー両映像の鑑賞後にウィキで調べてみたら、ミセスが主題歌を担当したのは『笑う招き猫』(2017)、『青夏 きみに恋した30日』(2018)、『ラーゲリより愛を込めて』(2022)、どれも書き下ろし。『ラーゲリより愛を込めて』の主題歌のカップリング曲は『ONE PIECE FILM RED』(2022)の劇中歌。『ディア・ファミリー』(2024)、『サイレントラブ』(2024)、『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』(2024)の主題歌もそう。えーっ、私ぜんぶ劇場で観てるやん。『ベートーヴェン捏造』にショパン役で涼ちゃんが出演していたと言われても、彼を知らなかったから当然わからず。
今までどうしてどの曲にもハマらなかったのかはわかりません。私の場合、J-POPだとまずイントロがピアノの曲には耳が行きます。そしてメロディーも大事なのですが、歌詞が刺さらない曲はまずそのまま素通りしてしまいます。ミセスの曲は歌詞が刺さらないというよりは、歳のせいで聴き取れなかったのではないかと自分で推測(笑)。
タイトルを知っている曲がひとつもなくて、それなのにこんな映画を観に行っている状況を友人に笑われました。でもこれをきっかけに聴きはじめるのが楽しかったりもするので。「だーきーしめーてーっていうのは何ていう曲?」と聞いて“天国”だと教えてもらいました。楽曲として素晴らしいですね。ドキュメンタリー映像を観たらもう一度ライブ映像に戻りたくなります。どちらを先に観たとしても、もう1本を観た後に先に観たほうへまた戻りたくなること確実。
ところで、ギャロップの漫才で「大人になったらその魅力がもっとわかると思っていたもの」というネタがあります。林曰く「子どもの頃、親がよく聴いている演歌のどこがええんかまったくわからんかった。大人になったら演歌の魅力がわかるんかと思ってたけど、なんか、はぁ。まだまだミスチル、まだまだマッキー、なんならミセス」、毛利が「わっかいなぁ」。このネタ、大好きです。先日の『THE MANZAI』もこれでしたね。何度観ても笑う大好きなネタですが、本作を観た後ならさらに笑ってしまう。
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