MENU

『栄光のバックホーム』

『栄光のバックホーム』
監督:秋山純
出演:松谷鷹也,鈴木京香,前田拳太郎,伊原六花,山崎紘菜,草川拓弥,萩原聖人,上地雄輔,古田新太,加藤雅也,小澤征悦,嘉島陸,小貫莉奈,長内映里香,長江健次,ふとがね金太,平泉成,田中健,佐藤浩市,大森南朋,柄本明,高橋克典他

TOHOシネマズ梅田にて、前述の『佐藤さんと佐藤さん』とハシゴ。もうすっかりひとりランチのアルコールは抜けています。

実話に基づく。もしも阪神ファンを名乗りながら“奇跡のバックホーム”の話を知らない人がいるとしたら、それは似非ファンだと言いきってもいいぐらい有名なこと。そりゃ阪神ファンとしては観に行かなあかん作品です。番宣も盛んらしく、休日の夕刻、ほぼ満席の客入り。

子どもの頃からプロ野球選手になることを夢見ていた横田慎太郎(松谷鷹也)。強豪・鹿児島実業高校に進学し、4番でエースを任されるが、恋い焦がれた甲子園の土を踏むことはできなかった。しかし阪神タイガースのスカウト担当・田中秀太(萩原聖人)から高く評価され、2013年のドラフト会議で2位指名を受けて入団する。

大型新人として将来を期待され、1年上の先輩・北條史也(前田拳太郎)と切磋琢磨する日が続いていたある日、眼の不調を発する。病院に行ってみると脳腫瘍の診断。摘出手術は成功し、母親・まなみ(鈴木京香)の献身的な支えもあって復活を目指すが、視力は回復しないまま。2017年の発症から3シーズンが過ぎた2019年、引退を決意する。

横田が自身の引退試合で見せた奇跡のバックホーム。眼が見えていないのに、センターに飛んだ打球をスーパー送球してキャッチャーがランナーをタッチアウトに。そりゃもうその動画を観たらボロ泣きです。2022年に亡くなった私のもそのときの動画を観ては「泣くなぁ」と何度も言っていたのを思い出します。自分かて死にそうやのに。(T_T)

周囲からは鼻をすする音が絶えず聞こえ、しゃくり上げて泣いている人も大勢いましたが、私はこれではまったく泣けないんです。「感動の実話の映画化」という触れ込みがもうどうにも苦手で。同じ秋山純監督の『20歳のソウル』(2022)もそうでしたが、最初から泣く話を作るつもりで作っている意図を感じるとテンションが下がってしまって。こんな映画をわざわざ作らなくても、そのままでいいじゃないかと思ってしまう。だから、横田の動画を観たときは涙が止まらなかった私が、本作では泣きそうにすらならなくて。ウルッと来たのはエンドロールの横田本人が写っている映像のみです。

横田の父親には高橋克典。掛布雅之に古田新太、平田勝男に大森南朋、川藤幸三に柄本明、金本知憲に加藤雅也、トレーナーの土屋明洋に上地雄輔。医師役には佐藤浩市田中健が扮するという豪華キャスト。虎風荘の寮長役がふとがね金太だったのはちょっと楽しかった。

私は泣けなかったけど、素直に泣ける人が多ければいいなぁと思います。横田のことを知らなかった人にはご覧いただきたい作品です。11月上旬にテレビ朝日で放映されたドキュメンタリー『奇跡のバックホーム 横田慎太郎の物語』はTVerで見逃し配信中。こちらは私も最初からボロ泣き。ぜひ併せてご覧ください。北條は絶対野球をやめられませんね。彼にいちばん刺さる作品かも。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次