『旅の終わりのたからもの』(原題:Treasure)
監督:ユリア・フォン・ハインツ
出演:レナ・ダナム,スティーヴン・フライ,ズビグニエフ・ザマホフスキ,イヴォナ・ビエルスカ,マリア・マモナ,ヴェナンティ・ノスル,トマシュ・ヴウォソク,サンドラ・ドルジマルスカ他
塚口サンサン劇場にて、1991年のポーランドを舞台にしたドイツ/フランス作品を鑑賞。ドイツ出身の女流監督ユリア・フォン・ハインツがリリー・ブレットの小説を映画化。ブレットはホロコーストを生き延びた両親のもとオーストラリアで生まれた作家で、それを題材とした小説を多く書いているそうです。
1991年。ジャーナリストの女性ルーシーは父親のエデクと共にニューヨークで暮らしている。自分のルーツを知ろうと、エデクの故郷ポーランドへ父娘の旅を計画するが、奔放なエデクは片時もじっとしておらず、そもそもニューヨークで飛行機に乗り遅れる始末。ひとり先にワルシャワに着いてやきもきするルーシーをよそに、平然と後の飛行機でやってきたエデク。
エデクが暮らしていたウッチに列車で向かおうと切符を買っていたのに、ルーシーがトイレに行っている間にまたしてもエデクは勝手に空港の外へ。そこでステファンというタクシーの運転手を捕まえてこの旅行中世話になる話をまとめてしまう。すっかりペースを乱されて呆れるルーシーだったが……。
ルーシーの両親は夫婦でアウシュヴィッツから生還した稀有の存在であったものの、当時について娘のルーシーに語ることはほぼありませんでした。家の中に流れるなんとなくぎごちない空気を幼い頃から感じ取っていたルーシー。母親が亡くなり、どうしても父親の生まれ故郷を見たいとやっとの思いでエデクを連れ出したのに、エデクはすべてを避けているふしがある。
エデクにとっては母国語であるポーランド語をルーシーは理解できないから、エデクが現地の人たちと何を話しているのかわかりません。ホロコースト経験者が当時を思い出したくないのも当たり前といえば当たり前で、エデクに同情的なステファンは、ついついエデクに話を合わせます。いったい父親は何を考えているのかとルーシーはイライラしているというのに、気さくな人柄のエデクが行く先々で誰とでも親しくなるのもルーシーにとっては腹立ちの種。
ルーシー役のレナ・ダナムは女優として活躍しつつ、監督や脚本家、プロデューサーとしても影響力を持つ人。エデク役のスティーヴン・フライはイギリスが誇る名優。このふたりは本当の親子なんじゃないかと思うほどの素晴らしい共演。常にふざけているように見える父親の過酷な体験に触れることが良いことなのかどうかとふと考えてしまう。けれど、どれほど過酷であっても、それは後世に伝えていかなければならないものでしょう。
ベジタリアンで鳥の餌みたいなシリアルばっかり食べてなぜにあんな体型にとつっこみたくなったのはきっと皆さん同じですね。(^^;
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