『旅と日々』
監督:三宅唱
出演:シム・ウンギョン,河合優実,高田万作,斉藤陽一郎,松浦慎一郎,足立智充,梅舟惟永,佐野史郎,堤真一他
109シネマズ箕面にて、前述の『恋に至る病』の後に。
きっとそんなに客はいないだろうと思っていたのに、入場したらまぁまぁ席が埋まっていて驚きました。しかも全員中年以上、若い子はまったくいない(笑)。そりゃ原作がつげ義春の短編漫画ならそうなるでしょうか。『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』をひとつのストーリーとして実写映画化したのは、『きみの鳥はうたえる』(2018)、『ケイコ 目を澄ませて』(2022)、『夜明けのすべて』(2023)の三宅唱監督。『新聞記者』(2019)で名を揚げたシム・ウンギョン起用というのが面白い。
李(シム・ウンギョン)が脚本を執筆した映画が『海辺の叙景』で、その映画の中に登場する女優が渚(河合優実)。スクリーンの中の渚は海辺で夏男(高田万作)と出会います。この映画がある大学の授業で教材として使用され、監督や教師、学生たちと一緒に李も観ることに。鑑賞後、褒められているにもかかわらず、質疑応答の際につい李は「自分には才能がないと思った」と答えてしまいます。
スランプを感じた李は、東北へひとり旅に出ます。しかし、あてもないまま宿の予約もせずに出向いたものだから、どこも満室で泊まれません。山を越えたところに1軒だけある宿屋ならば空いているかもしれないと教えられ、積雪の中を歩き続けてたどり着いたのは、客なんてほかに誰もいない古びた宿“べんぞうや”。まったくやる気のなさそうな主人のべん造(堤真一)はそれでも李を泊まらせてくれます。
好きな話だとは思ったのですが、あまりにゆるゆると話が進むため、途中で寝落ちしそうになりました。この雪の中に埋もれていつまでも眠っていたい、そんな感じ。基本的にこの監督の作品は好きです。不思議なものですよね。前述の『恋に至る病』の廣木隆一監督の作品はあまり好きではないのに眠くはならない。こちらの三宅監督の作品は好きなのに睡魔に襲われてしまうという。うーむ、どうすれば。(–;
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