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『層間騒音』

『層間騒音』(英題:Noise)
監督:キム・スジン
出演:イ・ソンビン,キム・ミンソク,ハン・スア,リュ・ギョンス,チョン・イクリョン,ペク・ジュヒ,キム・ギョンリョン他

テアトル梅田にて。梅田スカイビルにある劇場はシネ・リーブル梅田だという感覚がずっと抜けませんでしたが、ようやく間違えずにテアトル梅田と言えるようになりました。

2本ハシゴの1本目は韓国で大ヒットしたホラーサスペンス作品。監督は本作が長編デビューとなるキム・スジン。主演のイ・ソンビンをどこかで見たことがあると思ったら『ミッション:ポッシブル』(2021)でした。面白くて好きだった作品だけど、本作とはあまりに彼女のイメージが違っていて観終わっても気づかず。あっちは明るくこっちは徹底して暗い。そりゃまぁホラーですから。綺麗な人だなぁ。ちょっと北川景子に似ていませんか。

聴覚障害を持つジュヨン(イ・ソンビン)は、両親を亡くしてから妹のジュヒ(ハン・スア)とふたりで暮らしてきたが、正確に難ありのジュヒに手を焼き、今はジュヒから離れて会社の寮住まい。ある日、ジュヒの無断欠勤が続いていて連絡も取れないと勤務先から電話が入る。慌ててジュヒが住むマンションの604号室へ行ってみるとジュヒはいない。部屋には異様な雰囲気が漂い、スマホや財布は置きっぱなし。いったい何があったのか。

しばらくすると真下の504号室の男性(リュ・ギョンス)がやってきて、騒音を立てるのはやめてくれと言われる。次にうるさくすれば口を裂くとまで言われ、音など立てていないジュヨンは戸惑う。呆然としているところへジュヒの恋人だというギフン(キム・ミンソク)が現れて相談。警察に相談してもどうにも動いてくれそうになく、ギフンとともに作成したチラシを配りはじめるのだが……。

ここにあらすじとして記したシーンより前に、まずは冒頭、ジュヒが部屋でヒステリックに動き回っているシーンが映し出されます。毎日騒音に悩まされているジュヒは、天井にびっしりと防音シートを張ってみたものの効果なし。騒音のもとを突き止めると決意して、録音を試みていた様子。このジュヒが主人公なのかな、それにしてはちょっと地味な顔立ちの女優だと思っていたら場面が切り替わり、主役がジュヨンとなります。うん、彼女のほうが主人公っぽい見た目だ(笑)。

心理的な怖さは最近でいちばんだったかもしれません。ジュヒの行方を探るうちにジュヨンが知ることになるこのマンションの秘密。604号室はいわゆる事故物件で、え、韓国には告知義務がないのかと驚く。504号室の兄ちゃんは包丁持参でやってきて、目が据わっているから怖いのなんのって。704号室でも何かあったようだし、マンションの婦人会会長(ペク・ジュヒ)は物件の資産的価値が下がることを懸念してジュヨンを黙らせようとします。唯一親切なのが804号室の女性(チョン・イクリョン)ですが、この状況では親切なこと自体怪しい。

できれば心霊現象とは結び付けない話で終わってほしかったところ、結局「出ます」という話。解決したように見せかけての不穏な終わり方にまたゾーッ。大切な人を亡くしたら、こうなってしまうのかと思わなくもない。

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