MENU

『君の顔では泣けない』

『君の顔では泣けない』
監督:坂下雄一郎
出演:芳根京子,高橋海人,西川愛莉,武市尚士,中沢元紀,林裕太,石川瑠華,前野朋哉,前原滉,ふせえり,大塚寧々,赤堀雅秋,片岡礼子,山中崇他

『阪神タイガース THE OFFICIAL MOVIE 2025 栄光の虎道(こどう)』の鑑賞後、同じくTOHOシネマズ伊丹にて。

君嶋彼方の同名ベストセラー小説を『決戦は日曜日』(2022)の坂下雄一郎監督が映画化。体が入れ替わる話を観ると、必ずどっちがどっちだったか錯覚を起こしてしまいます(笑)。

30歳の坂平陸(芳根京子)と水村まなみ(高橋海人)は毎年同じ日に喫茶“異邦人”で会う約束をしている。15歳だった高校生の夏、お互いの体が入れ替わってしまって以来、元には戻らずそのまま15年の月日が過ぎた。1年に1度こうして会って近況を報告し合い、いつか元通りに戻れないものかと探っているのだ。

あの夏、一緒にプールに飛び込んだ翌朝、目覚めると体が入れ替わっていたふたり。陸として生きることを余儀なくされたまなみ(武市尚士)、そしてまなみとして生きることになった陸(西川愛莉)。見た目は陸のまなみは、陸の両親(山中崇片岡礼子)や弟(林裕太)との生活に順応し、女子とも上手くつきあっている様子。しかし、見た目がまなみの陸は、両親(赤堀雅秋大塚寧々)が陸とまなみのことを恋人同士と思いたがるせいでイライラを募らせ……。

まず30歳のふたりが登場し、15歳まで遡って、時折また30歳のふたりを映し出しながら、17歳、24歳、27歳というふうに節目節目を過ごしたふたりの様子を描いています。

体が入れ替わったことはふたりだけの秘密。誰にも言わず、バレないように過ごしてきました。「私」「俺」と言うのはふたりきりで会うときだけ。友人たちのなかにはふたりがなんだか変わったことを察知していた者もいます。それでも友人関係が続いた相手もいれば、ぎくしゃくして仲が壊れた相手もいる。陸は親友だった田崎淳一(中沢元紀)からまなみとして告白されるはめに陥ったりも。結婚もして、子どもも産み、ここまで来るといろんな人への責任が生じて、見た目がまなみの陸は元に戻ってはいけない気がしてしまう。一方の見た目が陸のまなみは、どうしても元に戻りたい。ふたりの話が聞こえているであろう異邦人の店主役のふせえり前野朋哉の表情がいいですね。

元に戻ったかどうかわからないままのエンディング。あなたはどちらだと思いますか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次