『不思議の国でアリスと Dive in Wonderland』
監督:篠原俊哉
声の出演:原菜乃華,マイカ・ピュ,山本耕史,八嶋智人,小杉竜一,山口勝平,森川智之,山本高広,木村昴,村瀬歩,小野友樹,花江夏樹,松岡茉優,間宮祥太朗,戸田恵子他
109シネマズ箕面にて。
1865年に刊行された『不思議の国のアリス』は、イギリスの数学者がルイス・キャロル名義で書いたものだということを恥ずかしながら私は知りませんでした。それを知って初めて、なるほど『不思議の国の数学者』(2022)はだからこんな邦題になったんだなと思い至る。失礼しました。
20世紀に入ってからさまざまな国のさまざまな人が映像化が試みる。今のアリスのイメージを作り上げたのはまちがいなくディズニー。『ふしぎの国のアリス』(1951)の青い服に白いエプロンに青いリボン、金髪碧眼のアリスがスタンダードとなりました。ティム・バートン監督が実写映像化に臨んだ『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)は、メインキャストそのままでバートン監督がプロデューサーに回る形で続編『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(2016)も製作されました。未見ですが、ヤン・シュヴァンクマイエル監督の人形アニメ版『アリス』(1988)は観てみたいですねぇ。気持ち悪そう(笑)。
さてさて、百年経っても大人気のアリスだけど、日本では映像化されたことがないそうです。これが初めての劇場アニメーション化で、監督を務めるのは主にTVアニメで活躍する篠原哲哉。アニメーション制作をP.A.WORKSが担当しています。
就活中の大学生・安曇野りせ。すでに内定をもらった友人もいるなか、全滅のりせは凹みまくり。もしかしたらと二次面接のために空けていた日も予定がなくなったため、亡き祖母が遺した招待状に従い、祖母がつくったテーマパーク“ワンダーランド”へ。そこで少女アリスと出会ったりせは、一緒に旅をすることになるのだが……。
寝ました~。ごめんなさい。どうしてこんなに睡魔に襲われたのか。寝不足だったのは確かだけれど、面白かったら寝ないのよ。絵は可愛いし、良い感じだと最初は思っていたのに、りせの性格にそもそもイライラさせられたふしはあります。現実世界でもワンダーランドでも、ひたすらいい子でいようとするりせ。人から自分がどう見られるかばかり気にしていて、ハートの女王やハンプティダンプティのご機嫌まで取ろうとします。そのくせ、ひとりになるとなんで私は報われないんだと、悲しむというよりは腹を立てていたりして、同情でけん。で、ちょっと説教臭い展開に。
声優陣はとても楽しいですね。りせに原菜乃華、アリスにマイカ・ピュ、三月ウサギに八嶋智人、ハンプティダンプティにはブラマヨの小杉竜一、チェシャ猫は野原ひろしの声もトム・クルーズの声もキアヌ・リーヴスの声もやってのける森川智之。ハートの女王は松岡茉優、祖母は戸田恵子、その執事には間宮祥太朗。こんなに豪華なのに。ちょっとツライ。
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