『レンタル・ファミリー』
監督:HIKARI
出演:ブレンダン・フレイザー,平岳大,山本真理,ゴーマン・シャノン・眞陽,柄本明,木村文,真飛聖,森田望智,安藤玉恵,板谷由夏,菅原大吉,原日出子,神野三鈴,宇野祥平,梅沢昌代他
イオンシネマ茨木にて前述の『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』を観た後、109シネマズ箕面へ移動して本作を鑑賞しました。
もとは大阪出身のHIKARI監督は、高校在学中にアメリカへ留学。アメリカの大学院へと進んで映画制作を学んだそうです。車椅子生活を送る女性を主人公にした『37セカンズ』(2019)が話題になりましたが、私はどうも気が乗らずにパスしてしまったため、同監督の作品を観るのはこれが初めて。
7年前に来日し、歯磨きのCMで一瞬ブレイクしたアメリカ人俳優フィリップ(ブレンダン・フレイザー)。その後は鳴かず飛ばずで、オーディションを受けるもたいした役にはありつけず、くすぶりつづけている。
ある日、仕事として葬儀に参列する機会を得るが、遅刻したうえに、棺桶に入れられていた故人が目を開けたものだからびっくりして思わず声を上げてしまう。どうやら葬儀を体験したい男性(宇野祥平)の望みを叶える場だったらしく、またまたびっくり。帰りがけ、遅刻も含めたフィリップのふるまいについて駄目出しをしてきたのは、“レンタルファミリー”の社長・多田(平岳大)。多田の会社では、顧客の依頼に基づき家族その他をレンタルするらしい。多田から「うちで仕事をしてみないか」と誘われるフィリップ。そのまんま白人俳優を演じればいいのだと言われ……。
以下、ネタバレ混じりで書きます。
『オーガスト・マイ・ヘヴン』(2024)にも出てきたような仕事ですが、結婚式や葬式に代理で出席する以外にもいろんな依頼に応えます。たとえば、レズビアンであることをカミングアウトできずにいる女性(森田望智)が、アメリカ人男性と結婚して渡米するというシナリオを作り上げ、新郎役を依頼してきます。これがフィリップの初仕事で、こんな嘘はみんなの人生をつぶすことになると言って当日に逃げ出しかけた彼にレンタルファミリーのスタッフ・愛子(山本真理)が怒鳴る。依頼者は本当に愛するパートナーと一緒になり、そうとは知らない親は娘の結婚を喜ぶ。人生をつぶすどころか、これでみんなが幸せになるのだと。
ようやく腹を括ったフィリップがその後かかわるのは、離婚女性の別れた夫を演じて、一人娘・美亜(ゴーマン・シャノン・眞陽)が私立中学に入学できるようにすること。受験する本人のみながらず親もその学校にふさわしいかどうかを見られるから、面接には両親そろっていないと駄目なんですね。自分を捨てた父親だというフィリップに最初は怒りを見せている美亜が、次第に懐く。まるで本物の親子のようです。また、昔は一流の役者だったけれど今はすっかり自信をなくしている喜久雄(柄本明)に記者のふりをして取材を申し込んでほしいとか。これは喜久雄の娘(真飛聖)からの依頼。
こういう会社は実際にあるのでしょうね。多種多様な依頼に時には目が点に。呆れたのは、妻に浮気を突き止められた夫が、妻から浮気相手を連れてくるように言われたさいに、本物の浮気相手を連れていく勇気なく、浮気相手を演じてくれという依頼。面白いというよりも酷い話ですよねぇ。こんな男はクズだ。
ブレンダン・フレイザーはオスカーを獲得したときの『ザ・ホエール』(2022)よりずっといい。美亜とフィリップの関係や、柄本明演じる喜久雄がある場所で「忘れる前に会えてよかった」と言うシーンには涙がこぼれましたし、しみじみとした良い作品です。
どうでもいいことなんでしょうけど、本作の情報としては公式HPやポスターを含めて『レンタル・ファミリー』になっているのに、本編では『レンタル ファミリー』。「・」が見当たらないのが気になってしゃあないのでした。(^^;
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