『ランド・オブ・バッド』(原題:Land of Bad)
監督:ウィリアム・ユーバンク
出演:リアム・ヘムズワース,ラッセル・クロウ,ルーク・ヘムズワース,リッキー・ウィトル,マイロ・ヴィンティミリア,チカ・イコグウェ,ダニエル・マクファーソン,ジャック・フィンステラー,リンカーン・ルイス,ガンナー・ライト他
イオンシネマ茨木にて。前週の金曜日封切りで、上映スケジュールの作品名横には「New!」の文字が躍っているのに、次の金曜日にはもう上映予定なしだなんて。なんてことだと思いながら上映打ち切り直前の木曜日に観に行きました。普通は上映が終了する作品名の横には「Last!」の文字が出るところ、本作は「New!」のまま「Last!」の文字を見ることなく終了だぜ。
ウィリアム・ユーバンク監督にはなぜだかご縁がありません。過去作品はたぶん1本も観ていない。米軍に所属する2人が主人公だけど、リアム・ヘムズワースもラッセル・クロウもオーストラリア人だよ。こんなキャストでええんかい(笑)。この2人は『ポーカー・フェイス/裏切りのカード』(2022)でも共演していますね。リアムは言わずと知れたヘムズワース兄弟のうちのひとり。同じく兄弟のルーク・ヘムズワースも主要メンバーとして出演しています。
イスラム過激派の根城となっているフィリピン・スールー海に浮かぶパラワン島。同島で拉致されたCIAエージェントのアセットを救出するという極秘任務を命じられたキニーは、実戦経験のほぼない新米のJTAC(統合末端攻撃統制官)。JTACの主な役目は、本国の空軍基地とやりとりして航空支援を求める連絡係。キニー以外の3名は百戦錬磨の米軍特殊部隊デルタフォースのメンバーで、こんな任務に放り込まれてきたキニーを見て呆れかえり、せめて自分たちの足を引っ張ってくれるなと言い放つ。
本作戦のリーダーを任じられた軍曹シュガーと彼の部下であるエイベルとビショップ、そしてキニーが向かったのは、テロリストと繋がりがあるとされる富豪ペドロフの邸宅。そこにアセットが監禁されているはず。密かにペドロフ邸にたどり着こうかというときにテロリストのハシミ率いる過激派の面々が現れる。てっきりハシミとペドロフが武器の売買をするのかと思いきや、ハシミはペドロフやその家族をいとも簡単に殺す。子どもまで殺されそうになっているのを見過ごすわけには行かず、隠れていたシュガーたちが発砲。結果、反撃を受けてエイベルは死亡。シュガーやビショップも命を落としたと見られ、残ったのはキニーのみ。ひとりきりになったキニーは、本国の空軍基地にいる“リーパー”ことグリム大尉と連絡を取り、無人戦闘機を介して助けられながら窮地を脱しようとするのだが……。
1週間で打ち切られるぐらいですから、さぞかし客入りが悪かったのだろうと思います。とはいうものの、このキャストだからそれなり以上には面白いはずと思ったら、やっぱりまぁまぁ面白かった。
『ドローン・オブ・ウォー』(2014)を思い出します。でもあちらは遠隔操作する側にもっと緊張感があった。ところがこちらは空軍基地にいる側に緊張感ゼロ。バスケットボールの試合中継を観戦して騒ぎ、電話が鳴ると鬱陶しいから受話器を上げたままにする。リーパーにしたって、最初はまもなく出産する妻の容態が気になって仕方なく、その電話が入るかもしれないからみんな気をつけておいてくれと言う。けれどもキニーを支援しはじめてからはとにかく彼を無事に脱出させようと必死になります。リーパーを父親のように慕う軍曹ブランソンとのコンビもとても良い。
戦争のことを気にしていても、たとえ軍人であっても最前線にいなければこんなぐらいの意識になるのかなぁと思います。軍人でこれなら、私たちはもっと意識しなければ、自分とはまったく関係のないことになってしまう。
ますます太ってこの腹では動けなくなりそうなラッセル・クロウが基地へ帰り着くのがはやすぎる。なんぼなんでもあと何十秒とかで帰れます!? ま、こういうツッコミどころもあるから面白いんですけど。
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