『ヘルボーイ/ザ・クルキッドマン』(原題:Hellboy: The Crooked Man)
監督:ブライアン・テイラー
出演:ジャック・ケシー,ジェファーソン・ホワイト,アデライン・ルドルフ,リア・マクナマラ,ジョセフ・マーセル,マーティン・バシンダル,ハンナ・マーゲットソン他
口コミを見ると稀に見る評価の低さ。これはスルーしてもいいんじゃないかと思ったけれど、やっぱり観なきゃ文句も言えないから観ることにして109シネマズ大阪エキスポシティへ。この日が上映最終日、誰もこんな不人気の作品は観に来んやろと想像していたとおり、客はほかにいなくて、なんと今年9回目の“おひとりさま”。
『ヘルボーイ』(2004)はギレルモ・デル・トロ監督の出世作。そのリブート版『ヘルボーイ』(2019)はオリジナル版の比ではないほどの低評価を喰らったというのに(私は嫌いじゃなかったけれど)、リブート版で監修を務めた漫画家のマイク・ミニョーラが脚本を執筆したのが続編に当たる本作らしい。懲りないお人のようですが、そもそも彼は原作者。オリジナル版の製作にも深く関わっていたし、“ヘルボーイ”愛が強いのでしょうね。どれだけ叩かれてもやめられないというのか。
地獄で生まれた悪魔の子でありながら現世で育てられ、いまやB.P.R.D.(超常現象調査防衛局)の捜査官のヘルボーイ。新人の女性エージェント・ジョーと共に、最悪最強の蜘蛛を捕獲して列車で帰局する途中、蜘蛛が巨大化して暴れ出し、車外に逃走してしまう。貴重な研究対象である蜘蛛を追いかけるも取り逃がしてジョーは意気消沈。
ヘルボーイは、蜘蛛が豹変した理由がここアパラチアの地にあるはずだと考える。とりあえず本局に連絡して現状を伝えようと、山奥に佇む寒村にたどり着き、電話を貸してほしいと頼む。その家には具合の悪そうな青年が横たえられており、家族は医者に診せることもせずにただ困惑している。
そこへやってきたのが、かつてこの村に住んでいたという男性トム。彼は状況を見るなり呪いがかけられていると断言。すべては「歪んだ男」と呼ばれる悪魔の仕業だと。トムは20年前に悪魔と交わした契約を祓うために今から悪魔のもとへ向かうらしく、ヘルボーイとジョーは蜘蛛を探しがてら呪いについて知るべくトムに帯同するのだが……。
冒頭の雰囲気は決して嫌いではありませんでした。ハリウッド作品らしからぬ空気が漂っていて、ちょっと北欧風のホラーにも感じられて。ところが数十分と絶たないうちに、直視できないほどグロい映像てんこ盛りになります。スプラッタというよりオカルトで、とにかく話自体が暗い。オリジナル版は、見た目はグロくも楽しいのがヘルボーイだったはず。それがこんな暗いだけの話にされても。しかも暗いうえに話がよくわからない。(^^;
低評価でも自分で観てみたら意外と面白かったという場合も多々あるけれど、本作に関してはただただ気味が悪くテンポも悪くて、これをあの名作『ヘルボーイ』の続編としてもよいのだろうかと心配になりました。
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