『プロセキューター』(原題:誤判)
監督:ドニー・イェン
出演:ドニー・イェン,ジュリアン・チョン,フランシス・ン,マイケル・ホイ,ケント・チェン,マイケル・チョン,ラウ・コン,メイソン・フォン他
前週のうちに観そびれていた本作。次週公開されるほかの作品を優先すればこれを観る機会を逸しそうでしたが、やっぱり観たいのよ、ドニー・イェン。後悔しないように観ておこうと、109シネマズ大阪エキスポシティへ。彼が監督・製作・主演を務めています。
香港警察のベテラン熱血刑事フォクは黒社会のリーダーを捕まえるも罰することができず。その弁護士に上手くかわされてしまったから。これをきっかけに刑事を辞めて検事に転身。初担当することになったのは、麻薬密売の容疑で青年マーが起訴された事件。
マーは幼少期を悲惨な家庭環境で過ごし、ヤク中の母親から虐待を受けていたところを見かねた祖父が引き取った。貧しいながらも祖父と孫は真っ当な生活を送っていたが、荷物の受け取り人として名前と住所を貸せば報酬をもらえるという話にマーは乗ってしまい、荷物の受け取り時に香港警察に踏み込まれて現行犯逮捕された。
「荷物の中身は知らなかった、住所を貸しただけだ」と主張するマーは、荷物の実際の受取人とされるラムと共に起訴されるが、辣腕の女性弁護士チャンから「罪を認めれば減刑される」と聞かされ、致し方なく罪を認める。すぐに釈放されると聞いていたのにそうではないことがわかり、暴れたマーは懲役27年の刑を受ける。しかもラムは無罪放免。
検事なのだから勝訴で終わればいいはずが、どうにも納得の行かないフォク。古巣の香港警察の力を借りて調べるうちに、マー同様に騙されて服役した若者が多くいると知る。裏社会と繋がって利益を得ている法曹界に静かに怒りを募らせるフォクは……。
ドニー・イェンが刑事から検事に転身する主人公って、また大胆な設定を考えたもので。検事になってもドニーは強い。しかしいくら刑事時代に部下たちから慕われていたからって、検事がこんなにも警察から情報を得ていいものなんですか。情報を得るどころか、後輩刑事たちを使って自分の思いのままに捜査させていますからね(笑)。
良いように使われる元部下のリーを演じているのはマイケル・チョンで、別名MCという売れっ子歌手なのだそうです。こういうイケメン大歓迎。また、破天荒な中年新入り検事を迎えて戸惑いながらもフォクにつきあう検事パウ役のケント・チェンや、悪徳検事かと思っていたら意外と善人だった次長検事ヨン役のフランシス・ンなど、味のあるオッサン連中も◯。
安定のドニー・イェン。バッドエンドは絶対に来ないとわかっているアクションものはいつでも楽しい。
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