『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(原題:九龍城寨之圍城)
監督:ソイ・チェン
出演:ルイス・クー,サモ・ハン,リッチー・レン,レイモンド・ラム,フィリップ・ン,テレンス・ラウ,ケニー・ウォン,トニー・ウー,ジャーマン・チャン他
名古屋から来阪した先輩夫妻と前日はNGK→甲子園。この日はマンゲキ→昼呑みして解散。私はそのあとキノシネマ心斎橋にて映画を3本ハシゴ。その1本目が本作。「観るなら飲むな、飲んだら観るな」の掟をまたまた破ってしまったわけですが、これは面白くて一瞬たりとも睡魔に襲われず。
九龍城砦といえば19世紀末に香港・九龍地区に存在した城塞で、当時の清朝は英国から圧力をかけられるも城塞を手放さず。迷路のような造りに違法建築バリバリの500棟もの建屋が並ぶこの地区は戦後に巨大なスラム街と化す。ここに逃げ込めば警察も探すのが無理だからあきらめる。1993年に取り壊しが始まるまではずっとそんな場所だったのだそうです。
1980年代の香港。密入国したチャン・ロッグワン(レイモンド・ラム)は地下格闘技に参加して勝利を収め、金を受け取る。その金で身分証を手に入れるはずが、黒社会の大ボス(サモ・ハン)にまんまと騙される。金がなければどうすることもできず、大ボスのもとにあった袋をひとつ掴んで逃走。追っ手をかわして九龍城砦へと逃げ込む。かっさらってきた袋を開けてみると、金ではなくドラッグ。とにかくここで売りさばこうとしたところ、今度は九龍城砦を仕切るロン・ギュンホン(ルイス・クー)にのされてしまう。
殺されるかと思いきや、チャンが盗んできたドラッグをロンは大ボスのもとへ詫びの金を付けて返しに行ったばかりか、しばらくここにいてもいいと言う。人を疑うことしかできなくなっていたチャンだが、九龍城砦で仕事を与えられ、やがて住民に受け入れられるようになる。特に、ロンの手下のソンヤッ(テレンス・ラウ)、医者のセイジャ(ジャーマン・チャン)、別のボスの手下でありながらロンを命の恩人と慕うサップイーシウ(トニー・ウー)の3人は、ロンを弟のごとく可愛がり、ようやくチャンも笑顔になれる日が来るのだが……。
めちゃめちゃ面白かったです。キノシネマ心斎橋の前身シネマート心斎橋でも香港作品はよく上映されていましたよね。香港映画ファンがこぞって観に来るのか、割と良い客の入り。
ウォリアーズ4人のカッコイイことと言ったら。彼らを仕切るロンも俠気に溢れていて、この情の深さを見せられると思わず涙ぐみそうに。九龍城砦自体にも興味が湧きます。こんな迷路を最大活用した面白くてたまらんエンターテインメント作品なのでした。
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