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『トリツカレ男』

『トリツカレ男』
監督:高橋渉
声の出演:佐野晶哉,上白石萌歌,柿澤勇人,山本高広,川田紳司,水樹奈々,森川智之他

休日出勤だった日、好天の万博公園はロハスフェスタ開催中で激混みだった様子。それがはける頃まで職場にいて、109シネマズ大阪エキスポシティへ。

内容をまったく忘れるぐらい前に読んだいしいしんじの同名小説が原作。しかし、これを読んだのをきっかけに、私はいしいしんじの著作を大人買いしたようです。それをアニメ映画化したのは、劇場版の“クレヨンしんちゃん”シリーズを多く手がける高橋渉監督。主人公の青年の声を“Aぇ! group”の佐野晶哉、ヒロインの声を上白石萌歌が担当。

スイッチが入って何かに夢中になると、四六時中そのことばかり考えてしまう青年ジュゼッペ。その様子はまるで取り憑かれているかのようで、周囲からは“トリツカレ男”と呼ばれる有名人。ひとたび取り憑かれるとそれを極めるまでやめられず、三段跳びの記録を更新したほか、探偵としての能力も発揮。いくつもの語学を習得したかと思えばネズミとも会話ができるようになる。そんなジュゼッペが今度は歌に夢中になり、勤め先のレストランでもかまわず歌うものだから仕事にならず。またトリツカレが始まったと苦笑いする雇い主は、歌への熱が冷めるまで仕事を休むようにジュゼッペに命じる。

仕事を休んでネズミのシエロと過ごしていたジュゼッペは、公園で風船を売る少女ペチカに一目惚れ。レストランに戻った後も彼女のことが頭から離れず、またしても仕事にならない。見かねたシエロがこっそりペチカの情報を集め、ジュゼッペが彼女に話しかけるきっかけを作ろうとする。図らずもその機会が訪れ、ペチカと友だちになったジュゼッペは……。

素敵な素敵なミュージカル風アニメに仕上がっています。上白石萌歌の歌に定評があるのは周知のことですが、佐野晶哉もこんなに歌が上手いとは知らなんだ。歌を盛り込んではいるものの、歌ばっかりじゃないのがいいところ。

せっかくペチカと親しくなれたけど、ペチカの笑顔にどこか寂しさがあることに気づいたジュゼッペは、どうにかして彼女の心の闇を取り去りたいと考えます。彼女に借金があると知ってギャングの親分に直談判しに行ったり、彼女の母親が謎の病で入院中だと知れば医師のふりをしてその病院に駆けつけたり。しかも問題を解決するときに役立つのがかつて彼が取り憑かれていたものだというのがとても面白い。

今までいろんなものに取り憑かれてきたジュゼッペに取り憑いていたものがあったとは。そしてそれこそがジュゼッペとペチカをつなぐもの。胸がキューッと絞られる純愛です。

ツイスト親分、サイコー。そしてここでも森川智之が活躍。トム・クルーズの声もキアヌ・リーヴスの声も野原ひろしの声も何でも彼にまかせちゃえ(笑)。

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