『ストロベリームーン 余命半年の恋』
監督:酒井麻衣
出演:當真あみ,齋藤潤,杉野遥亮,中条あやみ,池端杏慈,黒崎煌代,吉澤要人,泉澤祐希,伊藤健太郎,黒島結菜,池津祥子,橋本じゅん,田中麗奈,ユースケ・サンタマリア他
109シネマズ箕面にて。
ベストセラー小説『ストロベリームーン』の原作者である芥川なおは、性別・年齢・本名すべて非公開の覆面作家。ただし、芥川という姓だけは本当だそうです。出身は大分県中津市で、本作の舞台もそこがイメージされているとのこと。“ストロベリームーン”とはネイティブアメリカンが6月に野苺を収穫することに由来し、「恋を叶えてくれる月」とも言われているそうな。監督は『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』(2023)、『恋を知らない僕たちは』(2024)、『チャチャ』(2024)などの酒井麻衣。
小学校に入学したその日、桜井萌(西原紬)は教室で倒れる。以来、心臓疾患のせいで学校に通えない萌の夢を何でも叶えてきた父親・康介(ユースケ・サンタマリア)と母親・美代子(田中麗奈)。萌が授業を受けたいと言えば萌の部屋にスクリーンを設置。学校とオンラインで繋いでまるで教室にいるよう。学校から借りてきた机と椅子に座って調達した給食を食べることも。体は弱くてもこうして両親の大きな愛に包まれて過ごしてきた。
中学生になった萌(當真あみ)が友達をほしがっていることに気づいた康介と美代子は、街の唐揚げ屋に配達を依頼。やってきた唐揚げ屋の娘・高遠麗(池端杏慈)を萌の部屋へ案内すると、ふたりはたちまち友達に。外には出られずにいる萌に麗がいろいろとレクチャー。萌はいつの日か麗と恋バナをしたいと思うように。しかし15歳の萌は余命半年を宣告される。
病院からの帰り道、横断歩道のところで泣きじゃくる幼い女の子を助ける同い年の少年・佐藤日向(齋藤潤)を見かけた萌は彼に一目惚れ。どうせ夏まではもたない命なら、高校に入って普通の学校生活を送ってみたい。そして恋もしてみたい。そう考えた萌は麗と同じ高校へ入学。するとその初日、教室であの日向とばったり会う。自分に残された時間が少ないことはもちろん言えないが、千載一遇のチャンスに速攻で日向に告白して……。
ベタベタのお涙頂戴でしょうと思いつつも泣いてしまう。とにかく萌と日向がいい子だし、麗や日向の親友フーヤン(黒崎煌代)とカワケン(吉澤要人)もふたりへの協力を惜しまない超いい子たち。何よりも萌の両親が素晴らしい。こんな洒落た邸に住んで、難病の娘を抱えても金銭的に何の問題もないというのは夢物語のようではあるけれど。
萌が亡くなってから13年後の日向を杉野遥亮、麗を中条あやみ、フーヤンを泉澤祐希、カワケンを伊藤健太郎が演じています。みんないい子すぎてちょっと皮肉な目で見てしまうところもなきにしもあらず。だけどここは素直に泣きましょう。
未来に出せる郵便としては、郵便手紙キットやタイムカプセル郵便、未来郵便が実在します。郵便局員役でカメオ出演している黒島結菜もよかった。みらい郵便を使ってみたくなります。
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