『エディントンへようこそ』(原題:Eddington)
監督:アリ・アスター
出演:ホアキン・フェニックス,ペドロ・パスカル,ルーク・グライムス,ディードル・オコンネル,マイケル・ウォード,アメリー・フーファーレ,クリフトン・コリンズ・Jr.,ウィリアム・ベルー,オースティン・バトラー,エマ・ストーン他
109シネマズ箕面にて2本ハシゴの2本目。駐車サービス最悪の箕面キューズモールだから、前述の『ロマンティック・キラー』を観てから一旦出庫。再入庫して本作を鑑賞。
『ヘレディタリー/継承』(2018)や『ミッドサマー』(2019)のアリ・アスター監督が『ボーはおそれている』(2023)に続いてホアキン・フェニックスを起用。舞台はコロナ禍でロックダウンされている小さな町。どんな話を撮ろうと、アスター監督は相変わらず変だ(笑)。
アメリカ南部ニューメキシコ州の小さな町エディントン。コロナ禍に見舞われた2020年、市長テッド・ガルシアは州知事の命令に基づいてロックダウンを実施、市民にマスクの着用を義務づける。喘息持ちの保安官ジョー・クロスはこの事態に激しく抵抗し、マスクを着用せずに過ごしている。そのせいでスーパーの店員と小競り合いになり、それを見たテッドと言い争いに。テッドに腹を立てたジョーは衝動的に市長選に出馬すると決め、直ちにSNSで立候補を表明するのだが……。
こうして書くと、ジョーは弱い立場の人の味方のようですが、まったくそうではありません。虫唾が走るほど不愉快な人物。ジョーが愛してやまない妻ルイーズにはテッドと交際していた過去があり、嫉妬めらめらのジョーはテッドに敵対心を燃やしているのです。ルイーズはかつてテッドと何があったのか、メンタルをやられてストレスを抱えているというのに、ジョーが何の相談もなく出馬を決めたことにキレ、カルト教団のイケメン教祖ヴァーノンを心酔するように。
ネタバレですが、結局、ジョーはテッドとその息子エリックを殺害。その罪を部下の黒人警察官に着せようとします。人種差別に反対のふりをしておきながらとんでもない奴。また、テッド父子を狙撃するためにプエブロインディアンの土地に足を踏み入れたものだから、プエブロの警察官も臨場してなかなかややこしいことに。ルイーズの母親は陰謀論者でヤバイし、エリックから見下されている友人ブライアンの承認欲求が凄いし、好きになれる登場人物なんてひとりもいません。せめてイケメンが見たいと思っても、ヴァーノン役のオースティン・バトラーぐらいしかおらんし。
アスター監督のことだから、ジョーは生き延びるんだろうと思っていましたが、最悪の形での生き延び方。これじゃ死んだほうがマシだったかもというエンディング。シニカルで苦笑い。ホアキン・フェニックスもしばらく見たくない(笑)。
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