MENU

『この夏の星を見る』

『この夏の星を見る』
監督:山元環
出演:桜田ひより,水沢林太郎,黒川想矢,中野有紗,早瀬憩,星乃あんな,和田庵,萩原護,秋谷郁甫,増井湖々,安達木乃,蒼井旬,松井彩葉,中原果南,工藤遥,小林涼子,上川周作,河村花,朝倉あき,清水ミチコ,ビスケッティ佐竹,堀田茜,近藤芳正,岡部たかし他

イオンシネマ茨木にて、前述の『愛されなくても別に』とハシゴ。

辻村深月の同名青春小説を映画化した山元環監督は大阪芸術大学出身。卒業制作として撮った『ゴロン、バタン、キュー』が2015年度のPFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワードをはじめとするいくつものコンクールで受賞。その後、ショートフィルムやTVドラマの脚本・演出・監督を務めてこのたび本作の公開に至る。

茨城に住む高校生・溪本亜紗(桜田ひより)は入学するや天文部へ入部。同学年の飯塚凛久(水沢林太郎)や先輩たちと共に空へと想いを馳せながら部活動に没頭していたが、コロナが襲来する。緊急事態宣言の発令中は登校もできず、制限が緩和された後も部活動は自粛の方向。2020年の夏は楽しみにしていた合宿さえも中止になり、何かできないことはないか考えはじめる。

東京の中学生・安藤真宙(黒川想矢)はサッカーが大好きなのに、コロナで活動できないままサッカー部が廃部になってしまう。放課後ひとりでボールを蹴る真宙にしつこくつきまとうのが理科部の中井天音(星乃あんな)。唯一の新入生である真宙にどうしても理科部に入ってほしいから。最初はウザくてたまらない真宙だったが、かつて一緒にサッカーをしていた先輩・柳数生(秋谷郁甫)が今は宇宙に夢中だと知り、天音の話を聴いてみることにする。

長崎の五島では、女子高生の佐々野円華(中野有紗)が急に親友の福田小春(早瀬憩)から避けられるようになって悩んでいた。理由は円華の実家である旅館が県外からの宿泊客を受け入れているせいで、コロナ感染を心配する小春の親が円華とつきあわないように言っているらしいとわかる。落ち込む円華に星を見に行こうと誘ったのが県外からの留学生・武藤柊(和田庵)。

手作り望遠鏡で星を探すイベント“スターキャッチコンテスト”なるものがあることを知った真宙は、チラシに記されている高校の天文部に問い合わせ。たまたま電話に出た亜紗は「中学生でもスターキャッチができるか」と真宙から聞かれて、オンラインでコンテストを開催することを思いつき……。

126分を140分ぐらい冗長に感じて、個人的にはちょっとしんどい。これで終わりかと思ったときが何度かあり、そのたびにアララまだ続くんだとも思いました。車椅子に乗る家族に自作の望遠鏡で星を見せたいというのもお涙頂戴に走りそうな気配があり、私は正直なところ、あんまり得意じゃない。

感動的な場面でいちいちマスクを外して抱擁とかも好きになれなかったけれど、でもでも、せっかくの青春期の大半をコロナ下で過ごした学生たちの「マスクを取って笑い合いたい」、そんな心境をこれで表していたのかもしれません。何よりも夜空がとても美しい。たとえ画面越しであっても同じ想いの人たちと繋がり、同じ星を追いかける。これ以上にない素敵なイベント。宝物になると思います。この映画にケチをつけちゃいかんのだよ、私。

『遠い空の向こうに』(1999)を思い出しました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次